吸血鬼のゲーム・6

「2日目・2」

俺たちがロビーに出ると、ちょうど、アンナとその側近が自室に戻ろうとしていた。

アンナ

あー、今日は忙しかったからな、何か眠くなってきた。

側近

あっしも、お供しやす。

ダニエル、いつもより躊躇していないか?

ジョン

・・・そんなことはない。

ダニエル

黄昏時、アンナと側近が部屋で眠っているところへ、俺たちは忍び込んだ。

アンナ

あー、クソ。鼻血が出やがった。

側近

ぐえっ。きたね。

アンナが鼻血を布に塗りたくって脇にどけた。

ジョン

・・・。

血?・・・鼻血?まあ、この際どうでもいい!

ジョン

おい。今がチャンスだぞ、ダニエル!

私は犯人が残したメッセージを探す。お前は足には自信があるのだろう?

ダニエル

ジョン

何?・・・この俺にさせる気か?

ジョン

(くそ、早く終わらせちまえ!)

側近

あ?誰だ?

側近は包丁を振り回して、奇声を上げた。

ジョンは間一髪のところで窓から抜け出した。

側近

ちっ、暗闇で見えやしない・・・。

ジョン

ああ・・・命を落とすところだった。

俺は何とか、アンナの鼻血がついた布切れを持ち出した。

無事、解決したな。

ダニエル

ジョン

お前、犯人が見ていたらどうするんだ!

心配ない。そのために私が見張っていたからな。

ダニエル

ジョン

・・・


西の玄関の壁

ジョン

・・・こりゃ、吸血鬼Xも納得しないと思うぞ。

ダニエル

・・・。

額の裏には確かに血が塗られていた布切れが貼り付けられており、そこに犯人のサインがあった。
ロゼッタ氏とアンナ氏の名前が、犯人によって、それぞれ記されていた。
しかし、俺たちが塗りたくった鼻血はごく微量で吸血した、と言える量ではなかった。

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