吸血鬼のゲーム・5
「2日目・1」
俺たちは、緊張の中、二日目の朝を迎えた。
案の定、ジル夫人は部屋に塗られた血を確認し、ジョージ達が駆けつけた。
ジョージ
何の騒ぎだ。
恐ろしい・・・。
ジル
ジョージ
この部屋にいた者は誰だ?
ダニエル卿とジョンさんと私です。
ローラ
ジョージ
吸血鬼を見た者はいるか?
ダニエル、ジョン、ローラは首を横に振る。
ジョン
何とか、早いうちに吸血鬼Xを捕まえないと、俺たちの命が危ないんじゃないか。
しかし、全く見えてこないな。
そうでもないさ。 まず、こんな事態になって誰が得をするのか? ここはジョージの屋敷だ。ジョージにとっては何の得もない。スター家として不利益を被るのならば、それに属する者の犯行でもない。 考えられるのはスクエア家が交渉事を有利に進めようと画策するため。
ダニエル
ジョン
ジョナサンが吸血鬼だっていうのか? 確かに、あいつは胡散臭い。
ジョナサンであれば、もっと我々に対して直接的な手段に出てもおかしくないと思うが。
ダニエル
そんな事をしている内に、小柄だが活発そうな女性と図体の大きな女性が玄関から入ってきた。
ローラ
おかえりなさいませ。アンナ様・・・それは一体。
熊だ。見てわからないのか?
アンナ
ローラ
それは分かりますが・・・。
この首を刎ねるんだよ!
側近
熊の首と思われるものこちらへが転がってきた。
ジョン
吸血鬼よりも衝撃的なものを見せられた気がする。
・・・。
ダニエル
アンナ
なるほど、吸血鬼などという迷信に振り回されて怯えてるって?
側近
あたしらが、見つけたら首を掻っ捌いてやるよ。
ジョン
大丈夫か?ダニエル・・・。次はあいつだぞ。
まあ、あの熊のようにはなりたくないものだな。
ダニエル
夕暮れ時
悲鳴が聞こえた。
メイドのロゼッタの部屋からだった。
ジョージ
どうした!?
ロゼッタ
首の包帯を取ったら、こんな傷が・・・。
ローラ
きっと吸血鬼のしわざね。
お待ちを。ちょっと傷口を見せてくれ。
ダニエル
ジョージ
ダニエル、どうした?
この吸血跡は随分時間が経っているようだ。
ダニエル
この包帯の手当てはいつ?どこで?
ダニエル
ロゼッタ
数日前に屋敷の上の棚から物を取ろうとした時に痛めてしまったのです。
その時に、ローラやジョージさんと話をして首筋に包帯を巻くことにしたのですが、
ロゼッタ
1日目は非番でしたが、今日はこのような格好でいるわけには行かないと思いましたので、
怪我が治っていないか確認しましたら、このような傷が・・・。

不可解なことが多いな。
ダニエル
ジョン
おい、どうするんだ?
奴からの指示書だ。すでに私の部屋に置かれていた。
ダニエル
「さあ、次は、お前の番だ。死人が出るぞ。今度は西の玄関だ。」
ジョン
随分簡潔だな。
事前に用意したものだとは思うがな。
ダニエル
ジョン
何にせよ。あの怪物をどうするかだな。