吸血鬼のゲーム・4

「1日目・3」

俺たちは、ジル夫人を吸血するように選択を迫られた。

ジョン

おい、ダニエル。どうする気だ?
そもそも、何が起こっているんだ?

犯人は私を誘っているようだ。事態は犯人の筋書き通り、ジル夫人の元へ向かうよう仕組まれている。

ダニエル

ジョン

まさか、お前。血を吸いに行くのか?

馬鹿をいうな。それこそ、奴の思う壺だ。

ダニエル

ジョン

や、やつに刃向かうのか?お前は大丈夫かもしれんが、俺だって吸血鬼Xに襲われるかもしれないだろ?

それはない。

ダニエル

ジョン

え?

二人の吸血鬼、という文言を読まなかったのか?最終的に我々二人を犯人に仕立てる筋書きだろう。

ダニエル

ジョン

な・・・。俺は吸血鬼どころか扱いが野良犬以下だからな!

もう大丈夫です。

ジル

ローラ

今日はもうお休みになられた方がよろしいかと。

ジョン

ローラさん。頼みが・・・。

ローラ

何でしょう?

ジョン

吸血鬼の噂は聞いただろう?奥方が狙われないように、今晩ここを見張っておいて欲しいんだ。

ジョン

ダニエル。外はローラさんが見張っているから大丈夫だ。
しかし、これからどうしろって指示が分からないな。

その心配には及ばないようだ。

ダニエル

ダニエルは壁の隅の封書に手をやった。

ジョン

それ、見つけなかったらどうなっていたんだ?

私なら見つけるよ。

ダニエル

「額の裏に血が付着した布が貼り付けてある。
お前の分もさっさと用意しろ。でなければ、死人が出る。」

ジョン

俺たち宛ての手紙の方がきつい言い方じゃないか?

ジョン

何だったら、唾か鼻血でも塗っておけばいいんじゃねえの?

私には、誰の血か匂いで分かる。奴が本物の吸血鬼なら誤魔化せないだろう。

ダニエル

ジョン

じゃあ、どうするんだ?ここは奥方の部屋だし、そこにいるのは俺たちだ。

奴は貼り付けられた血の布を、ジル夫人自身に明け方にでも発見させようとしているのは明白だ。 しかし、ルールにはジル夫人に目撃させよだとか、誰も呼んではならないという文言は一切ないがな。 この場に皆を順番に呼び出して、全員のアリバイを作り出すことも可能かもしれない。

ダニエル

ジョン

何だよ、危険だと思うぜ。俺たちは殺人をしろって命令されているわけじゃないんだ。
大人しく今日は言うとおりにした方がいいんじゃないか?

そうだな。お前の言う通りかもしれん。

ダニエル

ジョン

え?

ジル夫人が寝ている所へ、ダニエルが跪いた。

ジョン

おい、やっぱり、お前、やるつもりか?

黙っていろ。視線を感じる。

ダニエル

ジョン

何?・・・どこから?犯人か?

ダニエルは手首に噛み付いたように見えた。ジル夫人は気づかずに寝ていて無反応だ。
よく見ると、ダニエルは噛み付いたふりをして、血の染み込んだ布を取り出していた。

ジョン

そんなもの用意していたのか?お前、さっき偽物の血はバレるって・・・。

例え奴が本物の吸血鬼だとして、明日以降、このような場所に不用意に近づくとも思えない。

ダニエル

それに、奴が言いがかりをつけてゲームを終了させる事はまだないはずだ。

ダニエル

ジョン

なぜだ?

奴の思惑は私が吸血鬼であるという事実よりも、時間をかけて犯人に仕立て上げることにあるようだからな。

ダニエル

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