吸血鬼のゲーム・2

「1日目・1」

俺たちは、招待状を持ってジョージ邸を訪れた。

これはダニエル氏。我らスター家は歓迎しますぞ。

いえ、固い挨拶は抜きにしよう。ジョージ。

ダニエル

ジョージ

ふ、君との間柄には不要だったか。何年振りかな、顔を合わせるのは。

メイドのローラです。何かあればお申し付けください。

ダニエルは軽く会釈をして、ジョージの方に向き直った。

すまんな。返事が遅れて。山羊が書簡を食べてしまったので、許してやってほしい。

ダニエル

何者かが、ダニエル宛ての招待状を盗んで読んだ。おそらく、吸血鬼Xだと思う。その後、ポストに投函されたが、それは数日後のことだった。

ジョージ

山羊をか?相変わらず、おかしな事を言う奴だな。

ジョン

しかし、派手な誕生日会だな。さぞ、料理も豪華なことで・・・。

俺はダニエルの杖で足を小突かれ、耳打ちされた。

お前は情報を集めてこい。

ダニエル

ジョン

へいへい。

しかし、マリーお嬢さんは相変わらずお元気ですかな?

ダニエル

ジョージ

ああ、実は彼女が君を招待するように提案したんだ。 何やら困り事があるとか言っていたが、急ぐ必要もあるまい。

いつまでも、御用聞ではいられんのだが。

ダニエル

その者は、お前の秘蔵っ子か?

ジョージ

違うよ、ジョナサン。彼が、そんな年に見えるのか?

ジョナサン

そりゃそうだな。

ダニエルです。ジョージとは古い友人です。

ダニエル

ジョナサン

そうか。これは失礼。

ローラ

ジョンさん。お疲れではないですか?お部屋を案内しますわ。

ジョン

こりゃどうも。

ジョン

なるほど。表向きはスター家のマリーの誕生日会だが、よくある政略結婚の社交の場ということか。

ローラ

マリーお嬢様はスクエア家に嫁ぐことで不安を抱えておられます。
次女のアンナお嬢様は、なんというか自由奔放で仲間と狩りに出かけておられますし。
スター家も安泰とは言えません。家業を継いでくれそうな者もおりませんし。

ジョン

あそこにいるのが、ジョセフとマックスか。

ローラ

マリー様とジョセフ様は婚約がもう決定しているのですが、
・・・ここだけの話、ジョセフ様は素行が悪く、マリーお嬢様はその事を懸念されているようなのです。

すみません。お水を貰いに来ました。

ジョン

うお!

ローラ

マリアンヌお嬢様。そこには段差が・・・!

マリアンヌと呼ばれた女性は転倒した。

いたた・・・。

マリアンヌ

あれ?お客様ですか?

マリアンヌ

ローラ

ダニエル様がお見えになっておられます。彼は付き人のジョンさんです。

ジョン

肩を貸しましょうか?

いえ、大丈夫です。マリン。何しているの?

マリアンヌ

ジョン

う・・・

戸棚を漁っていた、杖を持った別の女性の異様な雰囲気に、身をひいた。

お菓子、お菓子・・・。

マリン

ローラ

お菓子なら、部屋へお持ちします。ひとまず、お戻りになって静養なさってください。

マリンは杖をついて戻り、マリアンヌもふらつきながら自室へ戻っていったようだ。

ジョン

なんだか、妙な感じだったな・・・。

ローラ

彼女たちの母親のジーン夫人は病弱で他界されており、彼女たちもまた、虚弱体質のようでして、定期的に呪い師の方にお清めをしてもらっているのです。 あ、もうすぐ。ジョージ様のご挨拶がありますよ。

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